テキストサイズ

暗闇の中の一等星

第4章 暗闇の中の一等星―真治の過去―

 そして今年の冬――。

 真治は天体望遠鏡を持ち田舎に向かった。今までと違うのは紗希がいること。一人じゃないということ。

「ねぇ、真治?」

「ん?」

「あの時はありがとう」

「こちらこそ、ありがとう。居てくれて生きていてくれて」

 星空の下、真治は紗希に唇を重ねた。生きていたからこそ、出会えた大切な人。真治は一生、紗希を愛することを誓う。共に幸せになることを願う。

 生きてこそ今、ここから始まる。似たもの同士の二人だからこそ飾ることなく、ありのままの自分でいれる。

 この出会いに感謝して、例え何があろうともこれからも生き続けよう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ