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暗闇の中の一等星

第2章 生きてこそ―似たもの同士な二人―

「と言っても彼女を殺した俺に言われても嬉しくないと思うがな」


 そう言って俺は少女から抱きしめていた体を離した。


「どういうことなの? でも貴方は捕まってない。ここにいる」


 少女は先ほどの俺と同じようなことを言った。


「頼りすぎた。彼女の気持ちに気づいてやれなくて、俺は独りよがりにわがままばっかり」


「でも、それがどうして殺したになるの?」


「コロコロ表情が変わって喜怒哀楽がある子だった。そんな笑顔を涙を俺が奪ってしまった」


 少女は俺の話を真剣に聞いてくれる。まるで彼女のようで……。俺の目からは涙が零れ落ちた。


「大丈夫だよ。落ち着いてゆっくり話せばいい」


 少女は優しく声をかけてくれる。さっきとは逆だ。


「ありがとう。それで彼女はいつの間にか強がって無理をするようになってた。でもそん時、自分のことで精一杯だった俺は知らなかった。いや、知ろうとしなかった」

「そっか」

「いつしか彼女は自分の意見を言わなくなった。それを俺は避けてると俺を嫌いになったと、勝手な妄想をして彼女を責めた。でも彼女は何も言わなかった」


 俺は自分の服の裾をギュッと掴み俯く。

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