
好きになったらダメだよ
第6章 最低同士だからいいんじゃない?
それから私は変わりない日々を過ごした。
学校は文化祭の準備が終盤に差し掛かり、放課後遅くまで残って作業するクラスが増えてきた。
伊都の姿を見ることもあったけど、声をかける術はなく、ただ眺めることしかできなかった。
伊都は朝、数学準備室には来なくなった。
私はまた平穏な日々を取り戻し、授業以外で伊都と接触することはなくなった。
授業中も以前と変わらず進んでいる。
なるべく伊都の目を見ないようにしている自分がいるのは確かだけど。
そうやって日々は過ぎていくのだ。
