
好きになったらダメだよ
第6章 最低同士だからいいんじゃない?
文化祭当日は晴天に恵まれ、校門から昇降口までの道や中庭などに屋台のテントが立ち並び、教室ではお化け屋敷や軽音部のライブなどが行われていた。
他校からの参加も可能なため、毎年多くの人で賑わう。
屋台などは予定通り行かないこともあり、担任が足りない食材を求めて、近くのスーパーを奔走するのは、毎年お馴染みの光景だ。
担任外は警備以外の仕事もなく、久しぶりにゆっくりとした一日を過ごせることになる。
私も職員室でコーヒー片手に、小テスト採点といきたかったのに、隣には相変わらず橘が座っている。
今年はこいつも担任外だ。
確か総務部担当だったはず。
「暇だねー。」
呑気につぶやく橘などスルーして、赤ペンを手にした途端、職員室のドアが開いた。
