
好きになったらダメだよ
第6章 最低同士だからいいんじゃない?
刈谷さんのやっているクラスのメイド喫茶は大盛況だった。
中庭の1角にテントを張り、そのテントの前に丸テーブルを数台置いて、その場で食べれるようなカフェのような形にしている。
メニューはサンドイッチとかアイスクリームパフェとか唐揚げとかで、大体の物は他所で仕入れた物をそのまま販売している。
それでも、これだけ人気なのは……
「見た見た?伊都くんの黒服姿!」
「見た!超イケメン!」
「後で写真撮ってもらおう!」
伊都を目当てで人が集まっているから。
学年でも群を抜いてカッコイイと言われている。
身長だってあるし、スタイルだっていい。
そりゃ黒服も似合うに決まっている。
「本当にいいの?あんな超優良物件見逃して?」
隣で囁く橘などもちろん無視だ。
いちいち構っていたらキリがない。
