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私と彼の関係

第2章 はじまり

[美玲side]


「なぁ…藤崎サン、何してんの?」


突然後ろから話しかけられ、振り向くと…


「……深見くん、?」


そこには原付に乗った深見くんがいた。


深見くんとはまだ1回話したことがあるかないかくらいだ。


てか、今はそんなこと関係なくて、

なんでこんなとこにいるのよ…だるいな。


「何してんの?」

さっきと同じ質問をしてきた。


…真っ直ぐ私を見つめながら。




あぁ、この目…嫌い。



「深見くんこそ、こんな所でなにしてるの?」ニコッ

いつもの笑顔を向けながら聞いた。

「別に。寝れなくて暇だったからぶらぶらしてただけ。で、そっちは?」

ニコリともせずに答える深見くん。

「私もちょっとこの辺をぶらぶらしてるだけ。寝れなくてさ~一緒だね!」ニコッ

「……へぇ。おっさんとぶらぶらねぇ」

「たまたま出会って話しかけたら気があったから一緒にいるだけだよ」ニコニコ

「ふーん?今からどこいくの?」

「んーもうちょっとぶらぶらしてから寝ようかなって!」

めんどくさい。早くどっかいってよ。

「あぁ、ホテルで?」

「…何言ってるの?そんなわけないじゃん」クスクス

バレたらいつ誰に言われるかわからない。
それはだるすぎる。

多分私から誘ったところは聞いてないだろう…

「でもさっき、藤崎からホテル行ってヤリたいって誘ってたじゃん?そのオッサンを。ねぇ?おっさんもその子から誘われたんでしょ?」

「えっ、あぁ。」

…………聞かれてたのか。てか、おじさんも認めてるし。

とりあえず今回は…

「おじさんごめんなさい、また今度でもいいですか?」

シュンってした感じでおじさんに言った。、

「あ、あぁ。」

「ごめんね…」

おじさんはやや困惑気味で帰って行った。

問題はここから。

帰っていくおじさんを見ていた私は後ろを振り返って深見くんを見た。

「ねぇ、何したら黙っててくれる?」ニコッ

「………」

黙ったまま私を見つめてくる。

「今回のはつい、出来心っていうか好奇心でやっちゃったんだよ…だから黙ってて?お願いっ」

ちょっと、目をうるうるさせて彼を見た。

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