私と彼の関係
第2章 はじまり
藤崎美玲だ。
藤崎が教室に入ってきた瞬間、何人かが藤崎の近くへ行き話しかける。
教室がさっきよりもうるさくなった。
そう思ったとき、準備をし終えた夏希が俺の方へ向いて座りながら話しかけてきた。
「あー藤崎じゃん。今日も美人だなー。まぁ藤崎はいつも美人だけどな!」
藤崎をニヤニヤしながら見つめる夏希。
「あいつのせいで教室が騒がしくなった」
俺は迷惑そうに言う。
「しょうがねぇよ。藤崎大人気だから。俺1回あんな美人と付き合ってみてぇ~ユウもそう思わね?」
「思わない」
即答。
「は?あんな美人で愛想良くて笑顔が可愛いのに?」
ありえない。
そんな顔を全面に出した夏希。
「笑顔ねぇ…」
そう言いながら俺は笑っている藤崎を見る。
「何が気に食わねぇんだよ。」
なぜか不満そうな顔をしながら俺に言う。
「なんか噓くさい」
「……は?」
「だから噓くさい。あの笑顔。頑張って貼り付けてる感満載。俺嫌い、あの笑顔」
「えぇー?そうか?俺には普通の笑顔に見えるけどな~」
夏希は不満そうな声を出しながら、わからないといった顔をしてた。
「お前にわかってもらえなくても別にいい」
俺はそう言って携帯をいじりだした。
藤崎美玲ー
今年初めて同じクラスになったが、去年から知っていた。
学年一の美人だの、付き合いたい女No.1だので男子みんなが騒いでいたからだ。
でも俺には、なぜアイツが人気なのかよくわからない。
噓くさい笑顔貼り付けて、愛想ふりまいてるだけの女のどこがいいんだ。
学年の男子が騒ぐ中、俺は藤崎に全く興味がなかった。
キーンコーンカーンコーン
そして俺は授業開始のチャイムと共に藤崎のことを考えるのをやめた。