君とずっと
第5章 気持ち
「あ……西崎くん」
(寝てる……かわいい)
音の正体は西崎くんの寝返りの音だった
(なんでこんなとこで寝てるんだろ)
雛は西崎くんの顔を覗きこんだ
「やっぱり……かわいい……」
「ん、う〜ん……ん?」
(わっ、目が開いた……てか、起きちゃったよ〜)
「お前……誰?」
(うわっ!!しゃべった!!……当たり前だって、人間なんだから)
「おい、お前、聞いてんのか?」
寝てるところを起こされて不機嫌みたいだ
「は、は、はい!2年2組1番、天海雛です!!」
私は思わず番号まで言ってしまった、恥ずかしい
「ん?……あ」
「え?」
(こいつ、あいつだ。道で助けてやって、廊下でぶつかって、ボールぶつかりそうになったやつだ。ふ〜ん……天海っていうんだ……かわいい……って違う!!)
西崎くんは頭をかきむしっている
「西崎くん?」
「あ、ごめん」
「ううん、いいよ」
2人は話すことがなく黙りこんだ
「……………」
「に、西崎くんは何でここにいたの?」
「え?ダメ?」
「い、いや、そういうことじゃなくて……」
私は縮こまってしまった
(あ、やべ……また冷たくしちまった)
「今日、部活なくて暇だったから」