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あいつとわたし

第2章  best friend~屋上から見える空~

「確かに。てか、朝木先生って若いね。SAYURA-サユラ-の曲を歌うなんて」

「奇跡の歌姫だもんね」

 ゆっくりと時間は過ぎていく。

「ねぇ、明矢香」

「何?」

「今、班長とか委員長になれなくたってさ。諦めなければ叶うと思うよ」

 沙希は、優しく微笑み私を見た。

「ありがとう。でも、班長になったあんたに言われるとムカつく」

「あは、やっぱり」

 沙希はいたずらっぽく笑う。

「朝木先生って歌とピアノうまいんだね」

「うん、てか、最初より柔らかくなったね。明矢香の」

 沙希は私の顔を見て言う。

「涙、止まったみたい。ねぇ、班長じゃなくてもあいつを守れる?あいつに負けて、あいつを許せる?」

 茜色になる空を見上げながら私は聞く。

「明矢香なら守れるし、許せるよ─…あいつだって」

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