テキストサイズ

あいつとわたし

第3章 あいつへの手紙を書いた理由~あるバンドの曲~

「今回の最初の曲は作曲、優美&苺、作詞が由璃の曲“チェリッシュ”」 

 大輔は、そう言うと苺と共に舞台袖へ行く。

「出会いに瞬間的に恋に変わったの初めて話した時のこと覚えてるぅ?」 

 さっきと違って明るい曲だ。明矢香は気に入り食い入るように演奏を見る。

「チェリッシュずっと2人でチェリッシュ最高の恋人チェリッシュ!」 

 ボーカルの由璃は、歌って踊っていた。ラスト、飛び跳ねて可愛い。舞台袖から大輔と苺が戻ってくる。 

 その後も恋愛曲が続き、明矢香はついつい聞く。 

 いつの間にか歌詞や曲に感動して泣く明矢香。特に“君の刻印”には、感動したようだ。さっきダークムーンの蓮がいなくなったわけもわかった。ギターボーカルをする琉依が

「蓮、聞いてろよ……ダークムーン、お前のバンドも再結成した。“君の刻印”蓮のいる空に向けて歌います!」

 と言ったからだ。後は、歌詞による確信。 

 他の観客も号泣だ。明矢香が周りを見渡すと公園の外まで客が溢れ返っている。この人達……実はプロなのかというくらい上手い。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ