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ぜんぶ二人ではじめて

第44章 告白と変化

一番ナナちゃんのそばにいる人間。

それは親衛隊だ。

親衛隊の中の誰かってことか。

誰だ?

そう考えた時、自然と竜一くんが浮かんだ。

答えられずにいるナナちゃんに、

「竜一くん?」

そう聞いてみる。

ナナちゃんはすぐ顔に出るから、真っ赤になっていくのを見て、確信した。

「そっか。良かった。…別れる前に裏切ってしまって、本当に申し訳ない。…今まで、ありがとう。ナナちゃんと付き合えて、良かったよ。」

そう伝えたことで、ナナちゃんとの恋愛は終わった。

「うん。私も、ヤスくんと付き合えて、とても楽しかった。たくさんいろいろもらったよ。今日まで、本当にありがとう。…美月ちゃんとお幸せにね。」

そう言ったナナちゃんの笑顔はとてもキレイだった。

「じゃあ、お大事に。」

「ありがとう。」

ナナちゃんが病室を後に一歩部屋を出た。

「市川…。」

竜一くんの声がした。

「みんな…。」

全員いるみたいだ。

「ヤスくん。怪我の調子はどう?」

晃くんが病室に入ってきた。他の人たちは先に行ったみたいだ。

「順調だよ。」

そう答える。

「そっか。グラウンドで待ってるよ。お大事に。」

「サンキュ。…晃くん!」

「ん?」

「…ナナちゃんに…幸せになってくれって…。竜一くんに、ナナちゃんをよろしくって…伝えてくれる?」

「…わかった。…じゃあ。」

そう言って、晃くんも病室を出ていった。

ナナちゃん、ありがとう。

幸せになって…

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