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薔薇寮の淫

第7章 心が悲鳴をあげた時

・横尾side

あの日―



横「いい加減認めたらどうだ身体は感じまくりスッカリ堕ちてしまっているんだから」

北「…んだれが‥おまえ…なんかに‥服従するか」

横「ほんと強情な奴だな」



こいつにそう言ったら。



北「それを無くしたら俺は俺じゃなくなってしまう、お前には分からないだろうけどな」

横「‥‥っ」



返されたその言葉を聞いて思った。

きっとミツの中には。

そうならなければ生きては来れなかった何かがあったんだろうって。

しかし―

それはそれこれはこれ分かるか?

その事と今のお前の状況とは全く関係ない。

あくまで過去は過去、今は今。

そうじゃなきゃ前には進めないんだ。

お前は、それを言い訳にし本当の自分を認めず意固地になっているだけ。



横「なら何がなんでも分からせてやる」

北「くっあぁーっ」



素直になれたとき。

その殻は破れ、真の自分と向き合うことが出来るようになる。

ヌプッ、ズチャ!

付き合ってやるから、お前のその苦しみに。



北「くっあっ、もっ、ダメだぁ…ハァハァハァ」



そして俺がミツを抱き始めてから1週間後。



北「くっ、狂っちまう」



とうとうこいつは寝言でも譫言でもなく。

その名前を悲鳴にも似た声で叫びながら口にする。



北「ふっ、藤ヶ谷あぁー」



俺の腕の下で両手でシーツをギュッと掴み身を悶えさせながら。

第二関門突破だ、はぁ疲れた…

だがこれで、自分も身体を休めることが出来る。

それ以降、俺はミツを抱かなくなった。

もう、その必要はないし。

あとは頃合いを見計らって第三関門へ突入すればいい

それで俺の役目は終わる。

そう思いながら、そのときを待つ。

ミツと2人きりで共に過ごすことが出来る。

残り僅かな時間を、大切にしながら。





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