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薔薇寮の淫

第8章 愛するという意味

・北山side

横尾さんに抱かれてしまってから2週間あまりが経つ

とは言っても、やったのは初めの日から数えて1週間だけ。

つまりそれからはしていないってわけ。

あの日、8日目の朝。



横「ふっ、そんな顔をするな。もう乱暴なことはしない」



こいつは急に優しくなって



横「それより飯にするぞ、今日は赤飯を炊いたんだ」

北「はっ?言ってる意味がよく分からね」

横「なんだ、お前そんな事も知らないのか」

北「へっ?」

横「炊飯器と材料、それに電気が通ってればそれくらい部屋でも出来る」

北「んなの誰だって知ってるわ俺が言いたいのはそういう意味じゃなく」

横「グダグダ言ってないでさっさと食え」



お祝いだ、そんな事を言ってよ。

いったいなんの?

あげく聞き返すと俺が第二関門を突破したからだ。

とか、わけ分からないことを言いやがるし。



北「なんだ、そりゃ?」



その言葉を聞き、めっちゃ複雑な気分になってしまったのは言うまでもない。

だってさ…

俺の身体は横尾さんの手により。

すっかり開発されてしまったも同然だったから。

あげく、その翌日になると今度は。



横「俺がやった中でミツが一番、手が掛かる奴だったがそのせいか何だか可愛くて仕方がない」

北「かっ、可愛いだなんて言うな、だいいち俺は屈したりなんかしていないし」

横「いいんだ、それで」

北「また、わけ分からないことを言いやがって」

横「そっか、なら少しヒントをやろう」

北「はっ?」

横「お前が今、一番会いたいやつは誰?」

北「‥‥っ」

横「身体が疼いて、すぐにでも抱かれたくなるほど」

北「なっ」

横「今度そいつに会ったらその想いのまま素直に堕ちればいい ニコッ」

北「んなやつ」

横「いるだろ、ここに?」



トントンと、俺の胸を叩く横尾さん。



横「この心の奥には、誰がいるミツ?お前はもう気づいてるはずだ」

北「それ…は」

横「俺の前で何度その名前を口にした?最初は寝言でそれから俺に攻められ続け堪らなくなって ニコッ」

北「おまえが言わせたかった事って?」





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