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薔薇寮の淫

第8章 愛するという意味

・北山side

横「あの時、どんな想いで叫んだんだ?いや、その前から心の中で呼んでいたんだろ俺に抱かれながら何度も何回もあいつの事を」

北「くっ」

横「心が痛くて辛かった、違うか?俺のが自分の中へ入ってしまうたび苦しくて悲鳴を上げてしまい」

北「そう…だ‥クッ」

横「だが、どうして自分がそんなふうになってしまったのか今のお前には、もう充分すぎるくらい分かっているはずだよな」

北「んだから俺を抱かなくなったってそう言いたいん」

横「ふっ」



そして、10日目。



北「ビクッ…ちょ、横っ!?」

横「心配するなしないからこうして後ろから抱きしめてるだけだ、だから暫くはジッとしていればいい」

北「‥‥っ」



横尾さんは俺の身体をその腕の中へと包み込み。

まるで心の中をノックするみたいに優しく話しかけて来る。



横「ミツ、話してみる気はないか?」

北「なんの事だわ」

横「お前の中にある過去の苦しみってやつを」

北「どうして」

横「そりゃ分かるその瞳の奥にある陰り、それが一体なにを示しているのかそれに太輔が前に言ってた事があったし」

北「あいつが何を?」

横「ミツは誰からも愛された事がないんだって」

北「‥‥っ」

横「今更って思うかもしれないが誰かに話すのと独りで引きずっているのとでは違う話した方が気持ち楽になるんじゃない?」



不思議だった…。

俺はこいつに無理矢理やられてしまったのに。

何故だか素直に全部話してしまっていたんだから。

今まで、誰にも話さないでいたその事を。

でも、それで気つく。

横尾さんは快楽に溺れさせ俺を堕としたかったんじゃなく。

攻め立て追い込む事で心を弱らせ。

自然と素直になるよう仕向けたかったんだって。

それが、こいつが俺を抱いた理由ってわけ。

そう言うことか、フッ



横「あいつらが来る前に、一緒に風呂へ入らないか」

北「久々だな、フッ」

横「嫌ならやめとく」

北「別に構わないけど俺の裸を見て、欲情するんじゃねぇよ クスッ」

横「したら抱かせてくれるとでも?ニッ」

北「その気もないくせに」

横「そんな事はない」

北「んっ?」





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