
薔薇寮の淫
第8章 愛するという意味
・北山side
それから―
横尾さんと一緒にお風呂へ入った俺は。
期待と不安が入り交じったような気持ちがこみ上げて来る中。
いろんな事を思い起こしていた。
横「ミツ?」
もうすぐ、あいつがここへ来る。
そう思いを馳せながら…
それは子供の頃の事、何でだか俺は親から邪険にされてしまっていて。
どんな理由かは知らない。
ただ抱かれた記憶も、手を繋いで貰ったこともないんだ
あり得ないだろ。
だったら産むなって言いたくなる。
それでも愛されたくて。
幼いながらも必死で頑張ったんだが全てが空回りしてしまってよ。
で、どうなったか?
誰かを好きになるのが怖くなってしまい。
傷つきたくなくて、フッ
だったら独りでいい、そう思うようになってしまったのはいつの頃からだろう。
もう分からないくらい昔のこと。
だからわざと悪ぶって周りの奴ら遠ざけていたっけ。
でも藤ヶ谷だけは違ってさ
どんなに冷たく邪険にしても、くっついて来やがり。
正直ウザい…
何度そう思ったかしれない好きって言われるたびに。
その言葉がこそばゆく堪らなくなって。
けど今なら分かる、本当は嬉しかったんだ。
あの頃から俺はお前のことが好きだったのかもしれない、フッ
だが再会してから、そんな自分の気持ちに気づくまで
あいつに抱かれてしまっても。
俺がそれを認めなかったのには、ちゃんとした理由がある。
心が弱まってしまう。
意固地という柱が折れたら弱い自分が飛び出して。
甘えや期待なんかも出てしまい。
それで、もし失ってしまったら。
きっと、もう立ち直れないんじゃないかって。
そう本能が感じ取っていたからなんだろう。
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それから―
横尾さんと一緒にお風呂へ入った俺は。
期待と不安が入り交じったような気持ちがこみ上げて来る中。
いろんな事を思い起こしていた。
横「ミツ?」
もうすぐ、あいつがここへ来る。
そう思いを馳せながら…
それは子供の頃の事、何でだか俺は親から邪険にされてしまっていて。
どんな理由かは知らない。
ただ抱かれた記憶も、手を繋いで貰ったこともないんだ
あり得ないだろ。
だったら産むなって言いたくなる。
それでも愛されたくて。
幼いながらも必死で頑張ったんだが全てが空回りしてしまってよ。
で、どうなったか?
誰かを好きになるのが怖くなってしまい。
傷つきたくなくて、フッ
だったら独りでいい、そう思うようになってしまったのはいつの頃からだろう。
もう分からないくらい昔のこと。
だからわざと悪ぶって周りの奴ら遠ざけていたっけ。
でも藤ヶ谷だけは違ってさ
どんなに冷たく邪険にしても、くっついて来やがり。
正直ウザい…
何度そう思ったかしれない好きって言われるたびに。
その言葉がこそばゆく堪らなくなって。
けど今なら分かる、本当は嬉しかったんだ。
あの頃から俺はお前のことが好きだったのかもしれない、フッ
だが再会してから、そんな自分の気持ちに気づくまで
あいつに抱かれてしまっても。
俺がそれを認めなかったのには、ちゃんとした理由がある。
心が弱まってしまう。
意固地という柱が折れたら弱い自分が飛び出して。
甘えや期待なんかも出てしまい。
それで、もし失ってしまったら。
きっと、もう立ち直れないんじゃないかって。
そう本能が感じ取っていたからなんだろう。
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