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・藤ヶ谷side

北「…んだから‥横尾さん責めない…で‥やってくれない…なっ？頼む」

藤「北山」

北「あいつが…中へ入って来るたんび‥俺は…悲痛な声‥出してた…でも‥横尾さんの心も…痛んでたんに違いない」



わた、ｸｯ!



北「藤ヶ谷の方が…俺なんか‥より…よっぽど‥そんな…あいつのこと‥分かってるんじゃ…ねぇの？」



あぁ、そういう奴さ俺なんで忘れてたんだろう。



北「んだからよ…ｸｯ」



タマのときなんかも、すっごく辛そうだったのに。



藤「分かった、わたとは後でちゃんと話すから」

北「それ…聞いて‥安心…したわ‥ﾌｯ」

藤「そっか ﾆｺｯ」



北山は、泣きながら笑顔を見せ。

自分のことを傷つけた相手に対し気遣うその優しさに

俺が益々惚れてしまったのは言うまでもない。

だが…



藤「で、気づいた気持ちって？」



そう俺が聞くと。



北「おまえ鈍感な奴だな」

藤「へっ？」

北「もっ、伝わってるのかと思ったのによ」

藤「はっ？」



顔を真っ赤にし、俯いて。



藤「なっ、なに分からないってば」

北「うっ」

藤「北山？なぁ教えろって俺への気持ちってなんなんだよ」

北「知らね」

藤「えっ、ちょ、おい」



あげく頭から布団を被ってしまい。

そして―



北「俺の願い…聞いてくれたら‥言ってもいっけど」

藤「なに？」

北「聞いてくれっか？」

藤「だから何だって言ってるじゃん」



すると、今度はひょこんと顔だけ出し俯きながら。



北「こっ、ここによ」

藤「んっ？」



自分の首筋に手を当て。



北「きっ、キスマーク」

藤「なっ!?」

北「つけてくんね」

藤「‥‥っ」



いっ、今なんて言った？

それは、俺達グループ内で決められた恋人同士の証。

だって、お前はわたと…

再び、北山の身体が小刻みに震え始める。

しかし俺は思いも掛けない言葉に何も返せずにいたんだ。

心臓の高鳴りを、その身に感じながら。





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