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薔薇寮の淫

第10章 震える古傷―

・二階堂side

遅い、イライライラ!



藤「ニカ、少しは落ち着いたらどう?」

ニ「なに言ってるんだよ、よく平気でいられるなガヤは」

藤「お前の気持ちも分からなくはないが仕方ないじゃん宮田とタマの2人が来なくちゃ、わた話さないって言うんだから」

ニ「ったく宮っちの奴ボケたことしやがってさ」

千「あいつのボケは、今に始まった事じゃないし」

ニ「けど、よりにもよってこんなときに」



俺は苛ついていた。

考えても考えても納得がいかないわったーの解散宣言に。

早く理由が知りたい。

その気持ちが益々苛立たせてしまう。



北「なぁ太輔やっぱよ」

藤「んっ、なに?ひろ」

北「このデカい縫いぐるみ邪魔じゃね?」

藤「へっ?」

千「ひっ、宏光、なんで今そんな話をしてるの」



うっ、ミツうぅークッ!



北「んだってさ、おまえがここに寝るだろ?んでもって俺がここで」

藤「あ、あのな、ひろ」

北「したらぁーこいつは?あぁーっ」

千「なっ、なに」

ニ「‥‥っ」

北「ニカこれ、お前にやるわ ニコッ」

藤「はっ?ちょ待て、なに勝手に決めてるんだ」

ニ「くっ、いらね」

北「なんで?可愛いじゃんこうして立てかけて」

藤「おっ、おい」

北「でな」

ニ「いらねって言ってるだろ」



ボカッ!

腹が立った俺は思わず縫いぐるみを掴むと壁へと投げつける。



ニ「…っ、ハァハァハァ」

北「あらら、乱暴だなぁ」

ニ「ミツは、どうして平気でいられるんだ」

北「可哀相にぃ」

ニ「あんなに自分を傷つけてまでガヤへの気持ち気づかせてくれた、わったーに対してなんとも思わないの」



2人して上手くいったら、それで終わりかってんだ。



北「やっぱお前は太輔の傍が一番いいみたいだな」

藤「ひろ?」

北「ニカ、お前はどうなんで?」

ニ「えっ」

北「それ気づいたから千賀と元の自分たちに戻ろうって決めたんだろ?フッ」

ニ「何が言いたいんだよ」

北「ならあいつだってそうなはずだ ニコッ」

ニ「‥‥っ」

北「もう解放してやろうぜ俺達からさ、フッ」

千「それって?」





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