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薔薇寮の淫

第10章 震える古傷―

・二階堂side

藤「つまりは管理人が変わった事でそうなったと」

横「そうだ、もう知っての通り今回の管理人は理事長の息子」



そいつが言ったんだと。



「今のグループは、勝手に出来上がったものでしょ」



まぁ、確かにそうだけど。



「でもそれじゃ何の意味も持たない、ここは権力争いをする場所じゃないからねちゃんとした形に直しちゃおうかなっと思って」



言ってみれば委員会みたいなもんだとわったーは言う



横「立候補者を募り正式なリーダーを決め、グループ構成を作り」



それぞれのグループに役割を持たせる。



横「だから今までのようなことは禁止だ」

千「どういう?」

横「ネコを奪い合ったり、強制・陵辱・監禁・強姦などをしたら即退学」

藤「‥‥っ」

横「もう太輔みたいな思いをする奴はいなくなる」

藤「わた」



寮内改革だと、わったーは言った。



千「すっげぇー」

宮「それが上手く言ったらみんな襲われることを怯えて暮らさなくて済むよ」

横「まぁーな、フッ」

ニ「けど、そんなに上手く行くと思ってるの」

横「んっ?」

ニ「だってそうじゃん奴らが蔓延ってるのに変わりはないんだから結局は、あいつらがリーダーになってしまって変わらないんじゃない」

横「その心配はない」

玉「どうして?」

横「立候補できる奴が限られているから ニコッ」

玉「えっ」



それは思いも掛けない条件だった。



横「後は自分達で決めろ」



でも明らかに、わったーはリーダーになれないという



横「ただ俺はお前らを信じている ニコッ」



全ては俺達に委ねる形での

きっと、わったーとごっちがやろうとしていた事とはこういうことだったんだ。

そう、誰もが思ったに違いない。

このとき初めて―





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