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薔薇寮の淫

第10章 震える古傷―

・北山side

寮内改革か…

横尾さんお前と五関の最終目的ってそういうことだったわけ。

だが―

どうしてそこまで身を呈しやり遂げようとしていたんで?

その理由が知りたい、そう思っていたときだった。

この2人が部屋に、やって来たのは。



藤「ひろ、郁人たちが俺らに話しがあるんだって」

北「んっ?」

河「おまえら、リーダーに立候補するのか?」

北「そっちは?」

戸「するよ河合と2人で」

北「トッツー」

河「それが、俺らに出来る五関へのまぁ言ってみれば恩返しみたいなもんだからな、フッ」



つまりは今まで護ってくれた感謝の気持ちってことか

と、郁人が…



河「宏光、太輔もこれから俺が知っている限りの事をお前らに全て話す。だからそれを聞いた上で考え決めてくれ頼む」



突然そんなことを言い出し



北「なんでぇ?」

藤「話せよ郁人」



けど、それは俺がもっとも知りたいと思っていたことだったんだ。



河「これは、五関の親友の理事長の息子って奴から、内緒で聞いた話しだ」

藤「じゃ2人は?」

河「俺が知っているとは、思っちゃいない」

戸「その人がね、傍にいれない自分の代わりに河合へ五関の手助けをしてやって欲しいと打ち明けて来たんだって」

藤「そうだったのか」



横尾さんの心の奥にある、悲しみ辛さ。

孤独の要因にも繋がる五関の過去の傷という。



河「まだ五関と飯田が2年生になるかならないかくらいの頃の話しだそうだ」



あまりにも残酷な、あり得ない話し。





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