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薔薇寮の淫

第3章 そこにある理由

・北山side

戸「ある日、転入して来た生徒がそいつと同室になりその日のうちにやられ」



そっか自分と照らし合わせているんだな。



戸「そのまま一歩も部屋から出しては貰えず3ヶ月」

北「ひでぇ話し」

戸「昼夜問わず陵辱されてペット扱い、かなり辛かっただろうね」

北「何が言いたい」

戸「この寮にいた生徒の中で一番狂っていたんだってそいつ、囲われた転校生は悲劇としかいいようがない」

北「そうだな」

戸「でも、王子は現れ姫は助けられた。けど姫の心の傷は深く王子は取り巻き連中に姫を慰め励まし支えてやってくれるよう頼み連中もそれに応じてさ」

北「で、それからどうしたんで?」

戸「今、姫は王子になって今度は自分の愛する姫に、気持ちを伝えようと必死で足掻いてる」



俺は、それが藤ヶ谷のことだなんて気づきもせず。



戸「それに比べたら、俺は河合で良かったって思わなきゃ彼に悪いよ」



トッツー自身もそう言ってたから尚更…

そして、シャワーを浴びたトッツーはそれから。



戸「じゃ ニコッ」

北「どうしても行くのか?引き返せなくなっちまう」

戸「もうなってる、フッ」

北「トッツー」

戸「帰りは、たぶん明日になると思うから戸締まりはしっかりしとかなきゃダメだよ変な奴が夜這いに来たら大変だからね ニコッ」



ガチャ、バタン!

その瞬間、ドット寂しさが込み上げ堪らない気持ちになった。

俺は、ここでは独りぼっち

なに言ってるんで、何処にいてもそうだったじゃないか。

親に放っぽらかされグレたら冷たい視線を投げかけられてよ。

誰も俺の寂しさなんて気づいてくれなかった誰も。



藤「なぁ、何でいつも独りなん?」

北「一匹狼が好きなんだ、悪いか」

藤「じゃ、どうしてそんな寂しそうな眼をしてるの」

北「してねって」

藤「してるじゃん、俺には分かる」

北「うっせ、苦労知らずのボンボンが離れろ」

藤「嫌だ」

北「うぜぇ」

藤「傍にいる、ずっといるから」

北「お前なんか嫌いだ」

藤「俺は好きだよ北山」



お前は、いつもそう言ってたよな。

あの時―

俺はお前の笑顔が眩しくて幸せそうに笑っている顔を見るとムカついてしまい。

つい、邪険にしてしまったけれど本当は。

気がつくとそこにいた藤ヶ谷の部屋の前に―





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