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薔薇寮の淫

第6章 仕掛けられたら罠

・北山side

藤ヶ谷が今後のことについて横尾さんと話しをつけて来る。

そう言って出掛けてから、既に数時間が経つ。



宮「遅いね」

戸「そう簡単にはいかないんじゃない?」

宮「そうだろうけど」

北「宮田メシ食おうぜ腹が減ったわ」

戸「ねぇ河合に頼んで様子を見に行って貰おうか?」

北「いいって」

宮「俺もそうした方がいいと思う」

北「お前は黙っていろ」

宮「でも、キタミツ」



と、その時だった。バンッ



河「北山!」



こいつが物凄い勢いで飛び込んで来たのは。



戸「河合どうしたんだよ、そんなに慌てて」

河「太輔を助けてくれ頼む」

北「あいつを?」

河「お前しかいないんだ」

戸「どういう意味?」

宮「いったい何があったっていうの?」

河「渉が…クッ」

北「なんでぇ?どうした」



河合の話しによると。



戸「えっ嘘!?だってこの間、河合は言ってたじゃん横尾はぜったい藤ヶ谷には手を出さないって」



あいつは俺に手を出さない代わりに。

藤ヶ谷へ自分のネコになれと言ったらしい。



宮「そんな無茶な」

戸「受け入れられるわけがない」

河「あぁ、もし無理をしたら今度こそ本当に気が変になってしまうかもしれないし」



変になる?どういう意味で



北「ちょ待て、だってここでは当たり前のことなんだろ?リーダーのネコになるなんてよ」

河「確かにな、けどあいつは心に深い傷を負っているから」

北「傷?」

河「入って来た最初の夜、この部屋で…クッ」

北「‥‥っ」



あげくその理由が。

トッツーから聞いた、あの転校生の身に起きたことだったから驚いてしまったのなんの。



北「藤ヶ谷が陵辱され監禁されていた」

河「酷いもんだったぜ」

北「マジで!?」

河「ほらそこの柱あそこで裸のまま縛られまるで犬みたいな扱いを受け」

戸「床に傷がある」

宮「ガヤさんが、もがいた跡らしいよ クッ」

北「なっ」



それは、あまりにもリアルな傷跡で。

お前はどんな気持ちでこの傷を見つめていたんで。





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