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薔薇寮の淫

第6章 仕掛けられたら罠

・北山side

河「だから渉は今まで決して手を出さなかったんだ」

宮「でもガヤさんは」

戸「北山を護る為その好意を裏切ってしまった、つまりは報復?」

河「ちと違うな、そうまでして抱かなければならない理由があるんじゃないかと俺は思う」



どんな理由だっつうの。



河「あいつは意味なくそういった事はしない」

河「二階堂と千賀、玉森の時も訳あってした事だし、あいつらの為に」

北「どんなだタマを傷つけた事に変わりはない、だからあいつはあんなふうに」

河「それは違うな」

北「何が」

河「じゃどうしてあいつらあんなに渉のことを慕ってると思う」

北「分からねぇよんなの」

河「だったら自分で確かめてみればいい」

宮「ちょ待って、それじゃ横尾さんに抱かれてみろとキタミツに言っているのと同じじゃん」

河「そうすれば分かるって言っただけ、それにこいつが身を捧げれば太輔は助かる」

戸「河合」



俺が横尾さんに抱かれれば



河「あいつは、一度こうと決めたら何があってもやり遂げる奴だ、それが可愛がっている太輔であっても」



んなこと言われても。



河「お前にとって太輔ってどんな存在なんだよ」



あいつは…



河「嫌いって言ってるけど本当のところどうなわけ」



あの頃、俺は藤ヶ谷の笑顔が眩しくて。



戸「どうやら自分の気持ち見つめ直すときが来たみたいだね」



でも―



北「ふっ」

宮「キタミツ?」



本当は友達になりたかったのかもしれないな。



北「取り合えず行って来る」

宮「どこへ」



仲良くなりたい、そう思っていたのかも。



北「横尾さんの部屋」

河「じゃ」

北「まだ、決めたわけじゃないさ」



けど、どうしていいか分からなかった。



北「話してみるよ」

戸「誰と」

北「藤ヶ谷と」

戸「北山」

北「それから決める」



俺のこと好きだなんて言う奴は藤ヶ谷だけだったから戸惑ってしまい。



河「じゃ送るな」



突っ張る事しか出来なくて



北「そんじゃ行って来る」

戸「北山」

北「大丈夫だって」

戸「‥‥‥」



俺は初めて本心からあいつのことを知りたいと思った

ここへ来て自分の身に起きた事により。

藤ヶ谷が何を考えどう思っていたのかを―





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