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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚







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『………いえ、その件に関してはまだ手を出さないでおいた方が無難でしょう』


長い指先が心地よく髪を梳く。


『えぇ、私はもう少し様子を見るべきだと思いますよ………地固めをしてからでも十分遅くない』


ベッドのなかで素肌を合わせ、アタシを抱いたまま誰かと話す渚くんの声が聞こえる。

その声に誘われて、心地よい微睡に別れを告げて瞳に降りたシャッターをゆっくりと持ち上げる。

すると窓の外で灰青色と燃えるような赤鷺色が混ざり合い、そこから差し込んだ金色の矢が部屋の中を音もなく染めているのが見えた。


『………ハハッ、ご冗談を。でしたら、私はいつでも受けてたちますよ…』


今は……朝…?


こうしてアタシを手のなかに入れたまま、朝昼晩国内海外時間関係なくかかってくるビジネスコールをピロートークで済ませる渚くんをもう幾度と見ている。


もし、これがいつも通りの朝ならば…


アタシは…


『……そこまで仰るなら、こちら側も考えておきましょうか。あぁ、勿論良い意味で…クスッ』

「…………」


───とんでもない夢をみてしまったことになる。


因みにそれがどんな夢なのかといえば…

人になんて、ましてや渚くんになんてとてもじゃないけど言えないほどの、それはもう恥ずかしい夢で。


風邪をひいて熱をだして倒れた挙げ句に、看病してくれようとした渚くんに自分からけしかけての大・大・大暴走劇とか…


「っ~~~~~‼」




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