今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚
「で、ですから…」
…だけど負けるな明智。
「あのな、別に思春期のガキに好きなオンナのとこに見舞いに行けって言ってるわけではないだろう。それともなんだ。千隼に会うのがそんなに嫌か?返答次第では望み通り海の藻屑にしてやらなくもないぞ…」
「………‼」
すると、彼がかけているインテリチックな淵なしメガネが吹っ飛ぶ勢いで、顔から耳、首までが一気に真っ赤になった。
無論そんな面白いモノを魔王が見逃さないわけがないわけで…
「…ふーん、そういうことか」
「そ…そういうこと…とは…どういうことで、っ…」
しかもなぜかそこで態度が急変。ニヤリと笑った渚を前に引け腰で後ずさりをし始める明智氏。渚はそんな明智に長い脚を組みなおしてクツクツと肩を揺らし始める。そして…
「お前…さてはさんざん邪険にしてきた千隼に情が移ったな。今まで目の敵にして小娘呼ばわりしてたくせに、ここのところオレに毎日アイツのところに通わされてるうちに風邪で弱った姿にでもやられたか?」
「ご、ごごごご、ご冗談を…!!!!!!だ、誰があんな小娘にっ!!というか、いつまで長引いてるんですか!!もう一週間ですよ?きちんとご看病されてるのですか!!?」
「…は?きちんとってなんだよ。少なくともお前の想像以上のことはしてる。…けど、まぁ…あんなんじゃ、よくなるかどうかなんて甚だ疑問だけど、な」
「ッっ………!!」