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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚







「ほう…貴様は人様の大事な客を小娘呼ばわりか」

「……‼」

「…そうか、偉くなったな明智」

「…グッ」


カンカンカーン♪

魔王の勝ち~‼


明智さんを完膚なきまでに打ちのめした渚くんは、その後いつになく上機嫌な午後を迎えていた。

かといって、もともと大袈裟に羽目を外したり、そういったことをあからさまに態度に出すようなタイプではないので比較的に彼自身はいつもと変わらない。クールで優雅でとことん余裕で、相変わらず毒の瘴気ような色気を漂わせながら今もアタシの目の前にいる。

その代わり、その機嫌の余剰分は決定的にアタシへと注がれていて、今でも冗談だと思うけど食事の前に立ち寄ったジュエリーショップを店ごと買われそうになった。
頼むから冗談は冗談で済む範囲でお願いしたい。これは渚くんに限ってのことではないのだが…

というか、そんなに甘やかしてアタシがワガママになって困っても知らないからね‼

…と、優等生ぶってみたところでアタシ自身、彼との初対面で既にその罪を盛大に犯しているいう前科持ち。気にしたところで、何を今更…とまたいつぞやのように言われる落ちが決まっているという。

とまぁ、それは置いといて。それよりもなによりも、ちょっとだけ明智さんが可哀相だったけど、そのお陰でアタシの体調不良に関しては未だバレていないようだし、順風満帆、食欲だってある。

彼が席を設けてくれたホテル内のレストランで、目の前にある特注のシェフ特製・デザートプレート”千隼スペシャル”はいつになく大好きな甘いものでいっぱ…

…あれ!?

あれれれれれ…




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