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憧れの二人は女王様と召使い?

第5章 5




「麻理恵さーん!やっとお昼です!行きましょ?」


お昼になると沙紀は
子供のように無邪気にそう言った


ただでさえ憂鬱なのに
相手がやる気だと更に疲れる


早く帰りてぇ…



そう思いながら私と沙紀は
食堂に向かう


あの場所は知られたくないからって
慧人にも事前に食堂で、と約束をしていた



「あ、いた…」


「ほんとだ!慧人さーん!」


私が先に見つけたのに
つか、それも彼女の役目じゃね?


マジでこいつ……

悪気がないのは分かるけど
悪気がなくて、純粋にそうやってんのもたち悪いし
逆にムカつくのよね




席につくと

慧人が作ったお弁当はテーブルに広げてあり
食べるまでの準備は万端って感じだ



「わぁー…これ、慧人さんが?」


「そう…」


「毎日私が作ってるんだ!ね?慧人」


なに正直に答えようとしてんのよ


沙紀だけでも聞かせらんないのに
周りにたくさん人がここで事実なんか言わせねぇよ!


「う、うん!俺はただ朝預かっただけなんだ」


「へぇー…慧人さん優しいんですね
麻理恵さんも、お弁当毎日だなんて

しかも美味しそう!私の恥ずかしくて出しにくいな……」


「大丈夫だよ!私、本当に楽しみにしてたのに……」


ほらほら、出してみなさいよ

私よりザコな弁当をよ
※正確には慧人よりです←




「絶対!……笑わないでくださいね?」



お、おお、お゙お゙お゙


これは……

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