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school life

第1章 揺れる心~school life~

「北咲が私を」


 とうとう涙が出た。


「どういうこと?」


 私は北咲にされたことを事細かに説明していく。すると、途中で歩が立ち上がった。


「ごめん、俺、これ以上は聞きたくない」


 そう言って歩は保健室を飛び出した。


「ごめん、続きは?」


 十夜は、まだ続きを聞く気があるようで、私は話した。


 私が話し終えると十夜は、私をぎゅっと抱きしめた。そして言ってくれる。


「大丈夫だから。歩がもし京子を嫌っても俺は好きだから。約束、守ってやれんでごめんな」


「ううん、十夜のせいじゃないよ」


 十夜は隠しているともりだろうけど、私には分かった。十夜が泣きそうなのが。だから、そう返すことが精一杯だった。


「もう、遅いし送ってくよ。帰ろう」


「うん」

 無言の帰り道は辛い。


「バイバイ」


「あぁ、また明日、迎えに来るから」


 十夜はそう言って帰って行った。足の向いている方向が歩の家だって分かったが、あえて気にしない振りをした。そして、もちろん十夜が考えていることも私は知るよしもなかった。

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