テキストサイズ

school life

第1章 揺れる心~school life~

 私は先生が気づいていることに腹が立ち、いらついたので、その腹いせに美紅の上靴をゴミ箱に捨てた。そして、さっさと帰った。





 次の日は黒板に“死ね”“ブス”“消えろ”等の悪口を書きまくった。それを毎日やっている。それが楽しくて仕方ない。
あいつは日々、暗くなっていく。泣き虫になっていく。




次のテストの時、私は一位に戻っていた。あいつは三位以内に入っていない。多分、下のほうのランクだろう。もっと悪く、もっと泣け。もっと喚け。
今、辞めたら気づかれる。そう思い、いじめを続ける決心をした。





テストの結果を知った私は、内心、面白がりながら美紅を慰めに話しかけた。


「本当は笑ってるんでしょ? 自分が一位に戻ったんだから」


「そんなことないよ~」


「もういい。京子なんて大嫌い」


「そっか……」


 私は泣きながら教室を飛び出した。自分がした罪の重さに、はっきりと気づいてしまったから。そして、どうしたらいいか分らなくなった私の頭にある文字が浮かんだ。


 “リストカット”思いっきり手首を切りつけた。血が線になって流れる。痛かったけど気持ちよかった。


 そして、先生にも美紅にも真実を言おうと、罪を認めようと、そう思った。そして、職員室に行く。


「先生……実は、美紅にやってたの私だった。ごめんなさい」
「知ってた。自分から言ってくれてありがとな! 草川にも謝ろうな!」


「はい」


 私がそう言うと、私たちは美紅のところに行った。


「草川、ちょっといいか?」


「はい」


「美紅、今までやってたの私だったの。ごめんね」

「ううん、謝ってくれたし、もういいよ」


 仲直りできた。その時は単純にそう思ったんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ