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school life

第5章 歪む心~school life~

「美紅ちゃん、どうしたの?」

「ほら、見て? 京子ちゃん、十夜くんとあーんなに仲良くしてるわよ」

「あいつ……」

「十夜くんは私たちのアイドルなのにね。許せないわよねー。それに、私、十夜くんのこと好きなのよね。私が京子ちゃんにやられてるとき、優しくしてくれたから。だから――許せない」

「それは、許せないわね! 私たちに任せてよね」

「さすが! よろしくね」

 自由時間。女の子たちは京子の元に行く。私もついて行く。私の口元は自然と緩む。

「ちょっと!? どういうつもりよ?」

「何がどういうつもりですか?」

「はっ!? とぼけんじゃないわよ。白月くんのこと美紅も好きなのよ」

「はぁ……それが私に何か関係でも……?」

 毅然とする京子の態度が気に食わない。私は爪を噛んだ。苛々する。こいつはこの状況になっても何も分かっていない。もっと痛めつけてやらなければ。

「もう! うざったいわね。だーかーらーさっ白月くんと話してたでしょ? あんたなんかと話してたら汚れるったんだけど……分かる?」

「あの……言っている意味が分かりませんが……」

 私は女の子たちの前にすっと立つ。

「いい加減にしなさいよ。私はあんたが嫌いなの! だから私のモノには触れない・話さない・近づかない。分かった?」

「そんなの分かりません。それに……そう言われてもペアだし……」

「だから休めってんの! わかりなよ!」

「嫌だ……。体育好きだし休みたくない」

 簡単なことも分からない。案外、馬鹿のようね。天才じゃなかったのかしら、この子は。分からないなら分からせてあげるしかないわね。ふふっ。

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