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犬猿の仲良し

第22章 始動

璃「犬って何だよ」
健「媚売りすぎだって璃玖」
璃「は?売ってねーし」
健「売ってただろ!だめだ!」
璃「はぁああ?!子供かてめーは!」
健「勘弁しろよ本当にさ-!」
璃「何が?!」

健太はじっと俺の顔を見てきた。
俺は眉をひそめる。
何なんだ一体。
教室がざわざわしてるのは気のせい…じゃねぇし。

健「他の男見んな」
璃「無理だろ!ここ男子校だし嫌でも目に入るわ!」
健「そういう意味じゃっ…!っもういいわ!じゃあ俺あっちだから!!!」

健太はぷんすかしながら自分の持ち場へと戻っていった。
何でキレてんのあいつ。
逆ギレされても。

まぁいいや。
嵐は去ったんだ。
赤いペンキ取りに行こ。

俺は教室から出て、3階へペンキを取りに向かった。

ー3階

1年生も準備頑張ってんなー。
楽しそう。
やっぱり準備って楽しいよな、分かる分かる。
だけどこの視線はどうにかしてほしい。
1年生の誰かしらとすれ違うたびに振り向かれる。
何か付いてんのかな、ゴミとか。
うっわ、あれ見ろよ。
ゴミにゴミ付いてる。
いや、ゴミがゴミについてやってるんだよ。
ゲラゲラ。
とかだったら余裕で落ち込んで死ねる。

そんな想像をしていると、前から見覚えのある人物がにこにこしながら近付いてきた。

直「璃玖!」
璃「うわ…」

会いたくない奴に会ってしまった。

直「久しぶりじゃん!何してんの!」

視線がさっきよりも集まってる気がするんだが。
こいつの有名人っていうのは本当だったのか?

うっわ、あれ見ろよ。
ゴミが有名人と話してるぜ。
いや、有名人がゴミを払おうとしてんだよ。
ゲラゲラ。
なんて言われてたら余裕で地面にめり込む自信がある。

璃「ペンキ取りに来た」
直「璃玖のクラスは何すんの?」
璃「女装喫茶」
直「え、行くわ」
璃「お願いだから来ないでくれ」
直「前何でもするって言ってたよなーww行くから♪」
璃「何でもするなんて言った覚えないよ?!」
直「覚えてるよ俺は!俺らはねー」
璃「いや聞いてないから」
直「興味ない?残念だな-、璃玖にはタダであげようかと思ったのに-」

ちらっと直は俺の顔をうかがう。
タダ…?
何を…?

璃「ま、まぁ別に興味はねぇけど?何するかだけは聞いてやるよ?あ、健太が聞きたいって言ってたなー」
直「チョロいwwwwwww」

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