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犬猿の仲良し

第4章 救いようのない馬鹿

少しの間笑っていた健太が落ち着いたみたいで、息を整えていた。

健「はぁ…」
璃「収まったか?」
健「あぁ、もうバッチリ」
璃「んじゃ、話しやすいように体勢崩してやるから…」

そう言って俺は後ろに手をついて、体重を支えるような形になった。健太はそんな体勢の俺をじっと見てきた。

璃「何か?」
健「璃玖、偉そーにしてる感じする」
璃「じゃあ体勢戻すか?」
健「いんや、こっちの方が話しやすい」

じゃあ言うなと思ったけど、もう喧嘩する気力もなくなったのでやめておいた。

璃「そうか。はい、どーぞ」

俺は手で、健太に話すように促した。
健太は覚悟を決めたように、目を真っ直ぐ見てきて口を開いた。

健「えーっと、俺な?好きな奴がいるんだよ」

何だ。そんな事か。

璃「うん」
健「え、終わりだけど…。」
璃「は?それだけ?」
健「はい」
璃「はぁぁああ?」
健「それだけって…俺的には言うのめっちゃ勇気いることだったんですけど!」
璃「いやいや…。ほんっとどうでもいい…。」

俺は頭を抱え、髪を掻き上げた。
こんなにくだらない事で俺はあんなにイライラしてたのか?
恥ずかしくなってきたわ。
エロ本よりどうでもいいじゃねーか。…いや、エロ本よりは大事な話だ。

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