テキストサイズ

犬猿の仲良し

第4章 救いようのない馬鹿

俺の反応を不審に思った健太が聞いてきた。

健「え、何すか」
璃「何か他にねぇわけ?本当にそれなの?」
健「…あぁ、そうだよ」

マジかよ。
振り回された-。
最悪だ。
でもそれとこれとはまた話が別だよな。
俺は自分に言い聞かせ、振り回されたことは置いておくことにした。
切り替えよう。

璃「まー、人の悩みはそれぞれだしな。応援してやるよ、うん。」
健「マジ?」
璃「そりゃ親友の色恋沙汰を応援しないわけにはいかな…」
健「どした-?」

俺は口を閉じた。
おかしい。
絶対これだけのはずがない。
健太の目をじっと見つめると、逸らされた。
こいつが言うのを渋っていたのはもしや…。

璃「男か?」
健「え゙っ。な、何の話ですかこの野郎」

図星だ。
なるほどね。
俺がホモ嫌いだから中々言い出せなかったのか。
ばれた事が分かって観念したのか、健太は苦笑いをした。

健「悪ぃ…。やっぱきもいよな!」
璃「いや、案外お前だからか大丈夫だ」 
健「え…」

健太は俺の発言にとても驚いているようだ。
でもこれは全くの本音だ。
高校に入ってから男に告白されることは何回かあった。
無理矢理キスをしようとしてきた奴もいた。
そこから同性愛の事を拒むようになった。
好きでもない奴にキスをされるなんてまっぴらごめんだと。
その上男だったので、尚更拒否反応が出たんだろう。
だから、健太が男を好きと聞いても何とも思わない。
そんな自分に自分が一番びっくりしている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ