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犬猿の仲良し

第10章 寂しいって言え

ー…

璃「ん…?わ、」

びっくりした。
肩に健太の顔面があった。
俺達、座ったまま寝てたのか?
この体勢で?
恥ずかし…。

今何時だよ。
振り向かないと時計が見えない。
でも健太にホールドされてるから振り向けない。
…。
起こすの…悪いよな。
でも動けねぇし。
今が大体どんな時間帯なのか窓の外を見ようとしたら、窓がガラ空きだった事に気づいた。

ギャーーーー!!

璃「健太!!起きろ!!!」

さっきまでの申し訳なさは消え失せ、とにかく大声で起こそうとした。

健「ん~っ」

んーじゃねぇよ!!
起きる気配がない。
だが諦めるわけにもいかない。

璃「猿!おい、起きろ!!」

もう反応すらない。
これは授業のときと一緒で、起きないと悟った。
そして、起きるまでじっとしてようかと思った時だった。

健「うっせーぞポチ。近所迷惑になるだろ?」

頭をぽんぽんとされた。

璃「ポチじゃねぇえええええどけぇええええ」
健「うわ、何でそんな怒ってるんだよ」
璃「あれ!」

俺が指差した方向を健太が目で辿り、事の重大さに気付いた。

健「ちょ、やべぇ!」
璃「だから言ってるだろ?!今日だけでお前に何回どけって言ったことか!!」
健「ひでーな」

笑いながらどく健太。
笑い事じゃねぇっつーの。
まぁここは2階だし侵入するのは困難だけど。
俺は急いで窓を閉めた。

璃「ふー…」

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