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犬猿の仲良し

第12章 恋のきっかけ

俺が気にしてないと言った事に安心したのか、体勢を崩し始めた。

健「よかった…」

そんなに気にしてたのか。
こいつの顔見てると何かもうどうでも良くなってきた。
哀れで。
男と女を見間違えるくらい溜まってたんだもんな。

健「じゃあさ!」
璃「じゃあって?」

健太の突然の目の輝きに驚きを隠せなかった。

健「好きだ。付き合って下さい」
璃「は?」

そんな突拍子もない嘘に呆れた。
さっきの本当に反省したのか?

健「好きなんだけど」
璃「へー。きもい」
健「俺はマジで…!」

マジだとしたら余計きもい。
何のドッキリなんだ。
誰得だよ。

璃「はいはい、寝るぞ」
健「もう5時だし、璃玖髪びっしょりだけど」
璃「じゃあ起きとくか…」

俺はスマホを手に取り、ベッドに寄りかかっていじった。

健「ちょ、俺の告白無かったことにしようとしてない?」
璃「告白?悪ふざけだろ。笑えねー冗談だけど」

視線はスマホに向けたまま会話する。
健太はそれに不満を感じたのか、黙り始めた。
もう一生黙っていてくれても構わない。
俺は特に気にすることもなかった。

健「…」

すると突然、健太は俺の後頭部を両手でガシッと掴むと、ぐるっと自分の方に向けた。

ゴキッ

璃「ってぇな!何だよ?」

健太は真剣な眼差しで俺を見てきた。
俺は視線を逸らすことが出来なかった。

璃「と…りあえず手を離せ」
健「馬鹿ですみません」
璃「は?」

健太の発した言葉の意味に気を取られてる内に、健太の顔が近くなっていた。
そして俺が気付いた時にはもう遅かった。

璃「ちょ、…んー?!」

唇が重なった。

ヤバいきもい息できない。
俺の頭を掴む健太の手の力がどんどん強くなっていってる。
俺は手で健太の胸板を叩いた。
健太はそれを全く気にしていないかのうに、今度は舌を入れてきた。
クチュクチュと唾液の混ざる音が聞こえる。

璃「んぁっ、」

何今の俺の声?!
きもい!!!!
つーか限界。
俺は健太の腹を再び強く殴った。

健「?!」

今度は流石に痛みを感じたのかぱっと唇と手を離した。

璃「っはぁっはぁ、」

俺は目一杯酸素を吸い、口を拭った。
そして健太を睨んだ。

健「あー、えっと…気持ち良かった?」

あははと笑う健太。
俺はドン引きして、笑顔で言い放った。

璃「うがいしてきますね」
健「はい」

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