テキストサイズ

犬猿の仲良し

第16章 世界は広がる

神「分かんだろ?タチとネコぐらい。俺はタチだから自分より身長高い奴はパスだ」
璃「タチトネコ?」
神「何だその猫は。タチ!と!ネっんぐ」
花「大きな声で言うなよ!恥ずかしいんだから!」
神「…まあそういうこった」
璃「意味分かんねぇ」

タチトネコっつーのが何に関係してるんだ?
俺何も知らなさすぎだ。
もう教えてくれそうもないし帰ったら調べよう。

神「…俺からも質問していいか」
璃「ん?あぁ」

神楽の低い声で急に空気がぴりっとした気がした。
花火は唾を飲んだ。

神「今日はおめーらどうしたんだ?」
璃「あー…」

俺は不覚にも黙ってしまった。
おめーらとは俺と健太のことだろう。
こいつらは俺の質問に答えてくれた。

3人の間に沈黙が流れる。

言葉を出さないといけないのは分かっているけど、言葉にしようとすると何かが崩れていく。
どうする…。

花「…言いたくなかったら」
神「悪ぃが俺は聞くまで納得はしねぇよ?」
花「神楽…」
神「俺はこの事を聞きたくて今までの質問に答えてきたわけじゃねぇが…何かがあったんならちゃんと話して欲しい」
璃「…何でお前に?」

あ、まずい。
言い方を間違えた。
悪く思われる。

神「今日は朝から元気なかったからよ-。俺らもう友達だろ?友達の悩みは聞いてやりてぇんだわ!」
花「そうだな」
璃「友達?俺、お前らと友達なの?」
神「不服かよ?」
璃「いや、すっげぇ嬉しい。…話すけど伝わらなかったら悪い。あと」
神「何だ」
璃「これから何を聞いても…嫌わないでくれるか?」

俺はやっぱり嫌われるのが怖かったんだと改めて分かった。
神楽は満面の笑みだった。

神「お前、かっわいいなぁ!」
璃「は?!うっせ!」

神楽は俺の髪をぐしゃぐしゃと撫でた。

璃「何…っ、」

それが恥ずかしくて、俺は顔を赤くしてしまった。

神「なるわけねーだろ!!!」

…。
友達ってこんなに良いものなのか。
俺は拍子抜けした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ