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Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第7章 願う幸せ~悠編~

「はぐらかさないで! ちゃんと教えてよ」


 目を逸らしてしまった。長年一緒にいる優美には俺の嘘なんてお見通しってわけだ。涙を流しながらも必死に俺の目を射抜くその視線にもう嘘はつけない。俺は重たい口を開く。


「強がりだけど、脆く崩れやすい子。周りに涙見せなくて、でも俺の前では弱さ見せてくれて。守ってあげたいって思うんだ」


 俺は好きな子のことを話す。傷つけてしまうかも知れない。それでも優美は俺の本当のことが知りたいんだと思う。だから本当は聞きたくもないことを聞いているのだろう。だから俺は目を逸らしてはいけない。だから、優美の目を見て真剣に答えた。


「そか。告白とかしないの?」


「今は、しない。恋人いる子だしな」


「今はってことはいつかするの? 奪わないの?」


 優美がこんなに食いついてくることなんて今まであっただろうか。いや、なかった。なのに今はどうだろう。それだけ想われているのにもうその気持ちに答えてやれない。あの子が好きだっていう自分の気持ちに嘘がつけない。

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