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Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第10章 悲しき旋律~奏華編アンサー~

 バレンタインデー、周りは騒いでる。俺も何故かたくさん貰った。

 放課後、音楽室に花宮が来た。

「新羅先生」

「お~花宮か」

「また……一緒に弾こ……」

 花宮と俺は同じ旋律を奏でる。

 最近は花宮のバンドの琉依(ルイ)さんという人が作詞作曲した『君の刻印』という曲を、ピアノとベースに花宮がリメイクしたやつをよく弾く。

 切なげに重なる旋律と歌詞が俺の心を埋め尽くす。

 叶わない恋なんだ。そう思い知らされるかのように。

「新羅先生、チョ……」

「ん?何だ?」

「やっぱり……何でもないです。今からバンドの練習なので……また明日」

 花宮は、悲しげに俯いた。

「あぁ。また明日な」

 俺は笑顔を作った。

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