テキストサイズ

リモーネ

第5章 ペチュニア



仕方ない!丸暗記だ!とみっちりカタカナの哲学者の名前を叩き込まれ、白目を剥きかけたころに数学をを勧められ、解ける快感を味わう

「数学は!楽しい!」

「セナちゃん、暗記したくないだけでしょ?」

「…そうとも言いますね」

「俺も暗記は嫌いだよ。
だってそんなことしてても歴史はわからないもん。
だから、流れをだな、こう、考えるんだよ」

「流れ。」

「方程式にxがあったら数字を右辺に移動させる的な流れがあるわけよ。」

「ほう。」

「王様と皇帝が喧嘩したから戦争が起こったとかさ。」

「…ほう?」

「あー…戦争したくないからとか関係をよくしたいから人質と言うか…まぁ人質かな?として娘を嫁に出すとかさ」

「大河でよくみるやつですか?」

「あ、そうそう。それ。そう言うのがね、どこの国でもあるの」

「それはそれは。」

「面白いでしょ?」

「そうですね。」

「だからヨーロッパの王族はみんな親族みたいなことになるわけよ。」

「面白いですね」

「でっしょー!こう言うのを見つけるのが俺にとっては最高に面白いの!」

「なかなか良い趣味ですね。」

セナが少し興味を持ち始めたのをいいことにかえでは畳み掛けるようにうんちくを垂れ流す。

「…国語はどうしましょう」

「本を読みましょう。」

「…はい」

「おすすめなの今度持ってくから」

「…楽しみにしてます」

一通り話が終わったところで、セナが国語の宿題をとりだし、地道な努力を遠回し(?)に提案され、肩を落とし、絵本ならいくらでも読めるんですが…と言うと、絵本から始めようよなんてことを真顔で言う高2男子がいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ