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リモーネ

第5章 ペチュニア



「明日からテスト前の部活停止期間なわけだが、皆とりあえず頑張って赤点は回避しような。解散。」

火曜日の部活後、神崎先輩の言葉の後、礼をして解散する。

そうだ、明日は丁度テスト一週間前で、部活自体を禁止される。

部活が何よりも好きというわけではないが、テストよりは何百倍も楽しい。

「あー。みんな防具持って帰るんだ!」

俺、みんなの竹刀持ったげる!と防具を持つ俺たちに元気よく両手を差し出してきたのは当然のごとくあらわれた凪。

俺は年下だから申し訳ないと断ったが、奪い取られた

その時に滑らかにハグされてまたかえでが発狂したのもいつもの通り。

「凪は勉強とか得意なんですか?」

帰り道、隣を歩く凪になんとなく質問してみた

「俺?全然だめ!だから樹にみっちり教えてもらってる」

樹はかしこいからね!と自分の事かのように、嬉しそうに、誇らしそうに笑う。
そのままの勢いでセナは?と言われたセナは静かに首を降った。
その様子に凪は目を見張り、しばらく考えたあと、

「樹、かえで、勉強会しよう」

と後ろを歩いていたふたりを振り返って満面の笑みを浮かべた。


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