
リモーネ
第6章 サンショウ
少し息切れが治まったころにかえでがセナの目をまっすぐに見て口を開く。
「俺はね、物心ついたときから男が好きで、生まれてこのかた女の人を好きになった記憶がない。
勿論親愛の情は有るし、いくらでもわくけど、セックスしたいとは思わない。
なんというか、男の人の性器で好きにされたい願望が強かった。
だけどセナちゃんと会って、一目みて初めて、自分の性器で好きにしたい願望が強く湧き始めた。
…ちょっとまだ、俺の勇気がないからすべてのきっかけは言えない。
けど、これだけは誓える。
俺は!童貞だ!!」
「…かえで…」
「セナちゃん」
童貞を叫んだかえでを怖々とセナが見る。
その手をかえでが握る
「ちょっときもいです。」
「にゃ…にゃにをう!!」
直後、真顔で放たれた強烈な爆弾に動揺したかえでは(そう、気が動転したのだ)、セナにガバッと覆い被さりその脇をこしょばし始めた。
