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リモーネ

第7章 ツツジ



体に生温く降り注ぐシャワーのなかで眠りそうになる愛しい人の体重を支えながらその黒髪を洗い流す

「セナちゃん。」

「…んー?」

出たような出てないような声で答える夢うつつなその人をささえながら立たせ、シャワーを止める。

「からだ拭ける?」

「んー…けない…」

「…そんなこと言ってると、」

よほど眠たいのか、不快そうに口と眉を歪めたその人の唇にキスをする

「またエッチなことしちゃうぞぉ~」

驚いたのか、少しだけ、重たそうに瞼をあけ、俺の姿を認めると再び閉じ、少しだけ首を横に振る

「じゃ、自分で拭いて。」

「んーぁかったぁ…」

タオルを押し付けると、のろのろと体を拭き始めた

その、さっきまでと同じ人物とは思えない様子に、からだの柔らかい部分を優しく撫でられているような気分になった。


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