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「…かえで先輩。」

「なに。」

道場裏から道場に帰る途中俺が質問をしようと名前を呼ぶとかえで先輩は短く答えた。

「あの二人って。」

「はぁ、お察しの通りだよ。」

「あ、そうなんですね。」

「あれ？以外とすんなり？」

「何言ってるんですか。」

「いやだって、関係が関係じゃん…。」

「いやぁー凄いですよね。

親友って…。」

俺が思ったままを言うとかえで先輩は信じられない。と言う目で俺を見る。

俺がどうしたんです？と問いかけると、

「いや、なに？セナちゃん、セナちゃんは親友と抱き合うの？」

「？そりゃぁ、感動したときとか、何かを達成したときとか、喜びとか感情とかが爆発したらハグくらいしますよ。」

俺がそう答えるとかえで先輩はそれならばと言う顔をして、

「セナちゃん、親友になろう！！」

と両腕を大きく広げて俺の目の前に立ちふさがった。

「…お断りします。」

「なんっっっでよ！」

「なんでかえで先輩となんですか。」

「セナちゃんとハグしたいから。」

「ワケわかんないですよ。かえで先輩、むかつくほどきれーな顔してるんですからそこらの女の子に頼めばハグできるでしょ。」

「セナちゃんがいいの！！


…ってあれ？セナちゃん今なんて言った？」

「…そこらの女の子とハグしてきたらいいじゃないですか。」

「そこじゃない！もうちょっと前！」

「なんでかえで先輩とハグしなければならない。」

「もうちょいあとかな！

まぁいいや！いいこと聞けたし！」


俺はかえで先輩が突然元気になった理由がわからず、とりあえず、はぁ。と返事する。

「さー！今日は調子いいなぁー！

セナちゃん早く剣道しよー！」

テンションの高いかえで先輩が俺の右手を包み込むように握り剣道場へと引きずり込む。