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リモーネ

第4章 ツルバラ


駅を出て、朝押してきていた自転車に乗る。

自転車置き場の料金を払い、カゴに荷物を入れる。

そう言えば学校のまま電源を切りっぱなしだったスマホの電源をつける。

取り敢えず誰かからメッセージが来ているようなのでメッセージアプリを開いた。

『セナちゃーん( ´∀`)σ)∀`)』

かえで先輩からだった

『なんですか。』

返事を返してから、名前だけってなんだよと思い、スマホの画面をつけたまま自転車の鍵を探す。

『自転車の鍵はエナメルの内ポケットだよ( ☆∀☆)』

タイミングぴったりかよ。

『エスパーですか』

『あ!あたった!?うれしいなー(ノ´∀`*)』

『俺今から自転車なんで。』

直後に『もー。つれないなぁー。もうちょっと感謝してくれてもいいのにー(;´∀`)』なんて来てたけど、俺は無視して帰路についた。

そうとは言え、俺は独り暮らしみたいなものなので夕食をどうにかしなければこの空腹をどうしようもできない。

「…スーパー行かなきゃ。」

そう呟いて真っ直ぐ行けば家につく角をスーパーのある左へ曲がる。

今から自分で晩ご飯を作るのは果てしなくめんどくさいし、しんどい。

でも、スーパーの出来合いの惣菜を食べるのはあまり好きではない。

『何がいいと思いますか。』

買い物カゴをもって店内をうろうろしていて、思わずかえで先輩にこんなメッセージを送っていた。

『うーん。猫耳かな(ФωФ)』

『晩ごはんです。』

主語を送らなかった俺も悪いが、かえで先輩も大概だ。

『チキンカレー🐔』

『具材切るのめんどくさいです』

『俺が食べたいってだけなんだけどねσ(`・・´ )』

『かえで先輩に聞いたのが間違いでした』

『親子丼とかどう?』

『あー。ありですね。ありがとうございます』


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