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リモーネ

第4章 ツルバラ



会計をして自転車に戻ってからかえで先輩の『お?採用?さすが俺!』と来ていたメッセージに返事を返す。

『俺今から自転車なので』

『ほんとクール!』

スーパーから家まで約5分。すっかり暗くなっていて近所の家は明かりがついているが自分の家は真っ暗だ。

家の鍵を開け、電気をつける

「ただいまー。」

別に誰もいないのだからこんなことをいっても仕方がないのだが、寂しさが故に思わずいってしまう。


『誉め言葉ですか?ありがとうございます。』

荷物を持ったまま靴を脱ぎ捨てて家に上がり、キッチンの扉を開ける。

入ってすぐのダイニングテーブルの近くに荷物を置き、てを洗って米を研ぐ。

米を炊いている間に今日使った道着と面タオルを洗濯機に入れてスイッチを押す。

今日はガッツリと剣道をして臭いのでいつもはご飯の後だけど先に風呂に入ろうと思いシャワーを浴びる。

『もう!セナちゃんのばか!』

シャワーから上がるとかえで先輩からなぜか怒りのメッセージが来ていた。

『相変わらず失礼ですね。』

感謝したと言うのに怒るとは。変な人もいるもんだ。

親子丼を作るために、鶏肉と玉ねぎを切ってご飯が炊けるのをテレビを見ながら待つ。

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