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リモーネ

第4章 ツルバラ



いつもと代わり映えをしないニュースに飽々としたころ、キッチンに置きっぱなしだったスマホからメッセージの受信を知らせる音がした。

『親子丼美味しい?』

『まだご飯炊いてます』

『何してたの?』

『ニュース見てました』

『お祖父ちゃんかよ( ^∀^)』

『俺まだ15なんですけど…。』

『例えじゃんか。へこまないで丶(・ω・`) 』

『なんか、先輩とやり取りしてるとお姉ちゃん思い出します。』

『え!Σ( ̄□ ̄;)』

『文末が似てます』

『それは、よかった?

うーんまぁ、それ以上にビックリなのはお姉ちゃん居たってこと。』

そこから家族談義に花を咲かせているとご飯が炊けたのでスマホを放置して親子丼を作る。


思いの外美味しかった親子丼に満足して皿を洗って道着を干して、歯を磨いてスマホを開けながら布団へ行くと、かえで先輩からメッセージが来ていた。

『おやすみ』

なぜか、よくわからないけど、きゅんとしてしまった。

俺から長時間返事が帰ってこないから寝落ちしたと思ったのか?

いや、それにしてもまだ、10時にもなってないのに?

俺、かえで先輩にどんだけ子供扱いされんの。

そこまで考えるときゅんとしていた感情はどこへやら、腹が立ってきてしまった。

『寝てませんご飯食べてただけです。』

俺はこれから大切な日課、くま助の画像探しがあるんだよ!

いつもなかなか見つからないんだけどね…。

あ、でもなんか今日は眠いな。

寝不足…だな。

そういや、昨日あんまり寝れてないな。

なんで寝れてないんだっけ。

布団に入りながらそんなことを考える。

布団に入ってスマホを充電器に繋ぐとかえで先輩からメッセージが来ているのに気がついた。



「…かえで先輩のせいじゃんか」



寝不足の原因がわかった俺はその元凶に完全に腹をたてて、返事の脈略なんて無視して、『かえで先輩のせいで俺寝不足なんです!寝ます!』

と送り、少しスッキリして眠りに落ちた。

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