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リモーネ

第4章 ツルバラ




プルルルルル…

気がつくと自分のスマホの電話が鳴っていた。

相手が誰か確認せず、取りあえず応答する

「…ハイ」

「セナちゃん!?おはよう!?あのね、君すごい寝坊!」

どういうことだとベットヘッドの時計を見ると7時半

学校は8時半から。
でも校門遅刻は8時25分。
ここから駅まで歩いて約10~15分
駅から学校の最寄りまで約15分
学校の最寄りから学校まで約10分
準備に使えるのは10分もない?

とにかく時間がない!!

「セナちゃん!?とにかく玄関の鍵開けて!?」

「わ、かりました!」

スマホを充電器から引き抜き、階段を駆け降りる。
そして玄関の鍵をあけかえで先輩におはようございますと言う。

「おはよう!どうせ昨日のご飯とか余ってんでしょ?おにぎりでも作っとくから準備してきなよ!」

「ありがとうございます!」



「忘れ物はない?

ハイ、これおにぎり」

「大丈夫です!

ありがとうございます!」

約10分後、制服に着替えた俺は靴を履きかえで先輩からおにぎりを受けとる。

「とにかく、走るよ!」

「はい!」

俺とかえで先輩は運動部ならではの持久力を活かし、駅までひたすら走った。

そしてICカードと言う文明の利器に感謝しつつ改札を駆け抜けホームへ降りた。

ちょうど来ていた電車になんとか乗り込むことができ、時計を見ると7時48分。

「よかった…ハァ…結構人少ない…。

あ、かえで先輩すみません。

俺のせいで走らせてしまって」

「ほんっっとにね!

この恩は俺と付き合うことで返してもらわないとね!」

とてつもなく息を切らしながらいった俺に、かえで先輩は思いの外、元気な様子でプリプリとしながら返答する。

「なににですか?」

「…もう!そんなとこも好き!」

「…はぁ。」


学校の最寄り駅に近づくにつれて同じ高校の制服を着た人が増えてきて学校までは歩けると安心した。

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