
リモーネ
第4章 ツルバラ
「…オハヨウゴザイマス」
「お、おはようセナ!」
「…どうぞ。はいってください」
今日は、電話の着信音で起きた
凪からのものだったがどうせ昨日と同じく神崎先輩と、かえで先輩も居るのだろうと聞くと凪はごめんねと言った
別に凪は悪くない
俺としては凪と遊べるのはすごく嬉しい
でも神崎先輩とかかえで先輩はそうじゃない
神崎先輩はなんとなく畏れ多いし、かえで先輩はなんだか腹が立つ
「昨日に引き続きごめんね。はいこれお土産」
神崎先輩がそういって俺に縦横10センチ位の小綺麗な紙袋を渡してきた
「ありがとうございます。なんですかこれ?」
俺がそう聞くと、神崎先輩はなぜか意地悪な顔をして、
「好きな人と両思いになった後でに好きな人と二人きりの時、その人の近くで気づかれないように飲むものだよ」
と俺の耳元で囁くように言った
そのあと凪にお菓子が入っていると見えるレジ袋で殴られていたが、神崎先輩に悪意はないようだった
「セナちゃんおはよー!
これ、俺からのお土産だよー」
次に家に入ってきたかえで先輩は大きなレジ袋を持っていた
「ありがとうございます。…はちみつ味のおかしですか?」
受け取る前にそう言うとかえで先輩はにやあっとわらって、
「違いまーすはちみつレモンのジュースでーす」
といって差し出していた袋を俺から遠ざけて跳ねるようにして家に上がった
玄関の鍵を閉めて、かえで先輩が脱ぎ捨てた靴を揃えてから台所へ入ると、かえで先輩がキッチンテーブルの所はちみつレモンと書かれた2Lのペットボトルから氷をいれたグラスヘレモン色のジュースを注いでいた
明らかに俺の家のものであるグラスを、どっから出したんですかと言うのも面倒で、その姿をスルーしてテレビの前で何やらごそごそとしている凪と神崎先輩のもとへ行く
「今日はなんのゲームですか?」
