
リモーネ
第4章 ツルバラ
「今日はね、モンスターをみんなで協力して倒すゲームだよ」
そういった神崎先輩の手元には筆箱サイズの長円形をした平らなゲーム機が4つあった
「これどこからもってきたんですか」
「ん?えっとね、この黒いのと青いのがかえで家ので、残りが俺のと凪の」
「みんな持ってるもんなんですねこれ」
「あ、やっぱりセナちゃん持ってなかったんだ!」
俺が感心してそのゲーム機を持ち上げて弄んでみるとすぐ後ろからかえで先輩の跳ねるような声が聞こえた
「どういうことですか?」
俺が少し怒気を含めて言うと、かえで先輩はしまった、という顔をした
「あ、いや、いろんなゲームをした方が楽しいかなって!」
俺がかえで先輩をじっと見ていると、俺の後ろから凪が焦ったようにそう言った
「ありがとうございます、凪」
同じことをかえで先輩に言われていれば腹が立っただろうが、凪に言われてしまい、毒気を抜かれてしまった
