
リモーネ
第4章 ツルバラ
俺が食べ始めてしばらくすると他の3人のラーメンや酢豚や野菜炒めやチャーハンが配膳されやっと落ち着いて食べれるなんて思っていたのもつかの間のこと。
俺以外の3人は食べるのがとてつもなく早く、俺がみそラーメンを食べ終わる前に注文の品を食べ終え、メニューのデザートを見始めた
「す、みせません、俺食べるの遅くて…」
俺がみそラーメンを食べる間にそう言うと3人揃って俺を見た
「あ、俺らが早すぎるだけだと思うからきにしないで。」
「俺としてはラーメン食べてるセナちゃんを見たいだけだし。」
「セナちゃんはそのままでいいと思う」
凪には申し訳なさそうな顔で手と首を振りながら、かえで先輩は半笑いで頬杖をついて俺を真横からみながら、神崎先輩には真顔で口々にそんなことを言われ、あ、はいとしかいえなかった。
「セナちゃんデザートいる?」
「あ、ちょっとそれは入らないですね」
「おっきくなれないぞー」
「そうなんです。でも、凪、もういいんです。俺は伸びなくて。多分家系です。兄はかえで先輩より大きくて、姉は俺とほとんど変わらない身長ですが、俺は祖母からの隔世遺伝で大きくなれないんですきっと。」
「すごくの後ろ向きだね。」
「セナちゃんのそういう所すごくいいと思う。」
話の切れ目にデザートを薦めてきたかえで先輩とやけに身長を伸ばせと言う凪、やけに誉めてくれる神崎先輩
そして俺
なんだかよくわからないけど、この構図というか関係の居心地がよくてとても穏やかな気持ちになった
そのあと結局デザートは頼まずに3人で俺がみそラーメンを食べるのをじっと見ていた
その視線に居心地の悪さと申し訳なさを感じた俺が急いで食べようとすると、そのままでと言われてしまい、結局最後まで3人に見続けられた
その上に場所代だと言っておごってもらい、もっとおもてなしをすべきだったなと後悔した
俺の家に戻るとまたゲームをしてお菓子を食べてそのまま夕方になったから凪と神崎先輩がかえで先輩を引っ張って帰っていった
