
リモーネ
第4章 ツルバラ
そこから数分後に停まった駅で扉が開くと、かえで先輩は膝の上に置いていた俺の手をひっつかんで俺ごと立ち上がり、俺を人の群れに引きずり込んだ。
そのまま電車と階段を降りて改札を出た所で、かえで先輩は俺の手をぱっと離した
「せなちゃん、あんまり電車のったことないでしょ。特にこっち方面」
「…?
そうですけどなんでわかったんですか?」
「んーなんとなく。」
「なんで俺の手ひっつかんで電車降りたんですか?」
「迷子になるかなって。」
「失礼ですね。」
「でもそうでしょ?俺がセナちゃんの手ひっつかんでてもセナちゃん、人ごみに飲まれそうだったし」
「う、いやそれはかえで先輩が強引すぎるからですよ」
「人に迷惑かけなくらいの強引さがないとあの駅で降りれないよ」
そう言ってにっと笑ったかえで先輩になんだかむかっときてそっぽを向いた
「ま、それはおいといて、楽しいとこ行こう!」
かえで先輩はそっぽを向いた俺の正面に回り、膝を曲げて視線を合わせ(高身長め)、首をかしげてにかっとわらう
